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【書評】完全定本 四柱推命大全 河出書房新社刊 2023年10月04日
久々の書評を書く。河出書房新社より発行された「完全定本四柱推命大全」鐘進添著 山道帰一訳註 新装版である。
本書は2011年に初版が発行され、2016年に改訂版、そして2023年の新装版という流れである。特に2016年版からは第二十九章「六親論断」が追加されて今に至る。
この「六親論断」は、親兄弟、配偶者、子どもなど自分の近親者の様子を判断することである。紫微斗数では父母宮、夫妻宮、子女宮など割と明確に判断が出来たのだが、四柱推命では、日支は配偶者を示すなど大雑把な見方しか発表されていなかった。本書では正官や偏印など通変を用いて詳細な判断が出来るようになる。
本書の大きな特長は、「大全」の名が示すように四柱推命という術における網羅性にあるといってよい。つまり、淵海子平など数多くの古典で紹介された様々な判断技法が、これでもかというくらい記載、説明がなされているのだ。その中には現在ではあまり顧みられない「命宮」「胎元」「小運」などについても記載されている。もちろん「吉凶神煞」についても、わざわざ一章分を費やして解説されている。
四柱推命の研究者はもちろんのこと、東洋占術家なら是非とも目を通しておくべき必携書といえる。読み方としては、この網羅性を考えて自分で判断するときに、項目の取捨選択を心がけるべきであろう。
以上
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