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書評:ある吉2023年版 太玄社刊 
ある吉2023
 最近、太玄社さんからの新刊がめまぐるしい。しかも著者の情熱が詰まった大著=専門書ばかりだ。順次取り上げて書評を書いていく。
 
 今回は、「ある吉」アーロン千生著を取り上げる。本著は年鑑として、毎年発行される。従って一年間のデータが記載されている。具体的には毎日の二時間単位の吉凶方位と金運・恋愛など用途および日単位の吉方位と用途が、わかりやすくイラストで表現される。一目瞭然で方位の吉凶が判別できる表現である。これは利用者にとっては非常に使いやすい。
 
 吉凶を算出する根拠は、奇門遁甲という中国占術を用いてある。この術は術者によって、様々なバリエーションが存在する。自分は当該術に関して、いくつものバリエーションを実験してきた。最初は透派の立向・座山盤、次に武田考玄先生の四柱推命の用神(喜神)を吉方位とする技法、あるいは、当時神保町の海風書店で購入した台湾本などを試したのであるが、目立った吉凶は感じられなかったのも事実である。

 本著は、大陸系の奇門遁甲を基本としているが、著者の自分の研究や経験に基づく「工夫」が、色濃く加味されていると考える。この「工夫」は一朝一夕で得られるものではない。このためには著者の深い実践に加えて、「この術を使用する方々に幸運が訪れるように願う情熱」も大切だと思う。
 本書を実際に使用してみて、自分が実践していた遁甲が使い方も含めて、正しくなかったと思う。むしろ大陸系の奇門遁甲に「工夫」を加味した本著の実際の効果は刮目した。

 さて、自分の使い方であるが、基本的には二種類あると思う。
1つ目は自宅など固定の場所(太極)からの移動。これは「場所を変えるという行為」に開運を求める。これは方位術の基本となる考えである。
2つ目は奇門遁甲の兵法としての用途を重視する。太極は関係なしに、移動先など自分が現在立っている位置から別の場所に移動することに開運を求める。
もちろん、どちらの用法でも効果を期待するものであるが、自分は2つ目の出先での移動など、吉方位へ動くことに、奇門遁甲本来の用途を見出している。仕事で用いた場合、出先からの移動はよくある話だ。そのとき本著が威力を発揮するのではと考える。

 具体的な用法として、
 ・自宅からの徒歩での移動(散歩)
  距離 500m〜1500m
  もちろん健康増進が第一の目的であるが、プラスアルファも追求する
 ・出先からの移動
  移動時間は、それこそ数分から数十分まで様々であるが、わずか数分の移動で驚くべき効果
 (新規の仕事)が得られたこと何度もある。

 開運を目指す方々には、是非本著を手に取っていただき、実際に試してほしいと思う。そして結果を、その都度記録し、自分なりの手法を見つけてほしい。
また、占術家として、顧客の開運を目指すために、同著のような効果のあるものを取り入れることは素晴らしいことである。

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書評:奇門遁甲占法秘訣 安藤成龍著 
奇門遁甲吉村全伝奇門遁甲(黒門著)以来、久々の奇門遁甲の大著が発行された。著者の安藤成龍先生は広島にてご活躍の術士であり、有力なる中国術士との繋がりが深く、エネルギッシュな紳士である。今回は、先生が今まで深く温存してきた奇門遁甲に関する知見を、すべて表現した快作といえよう。

今ではよく知られている奇門遁甲という術であるが、この著は言うまでもなく「方位術」を解説したものではなく、本来の正当な使い方である「占断術」を解説したものである。そもそも奇門遁甲が方位術であるという定義は、昭和40年代よりの某流派の刷り込みであって、大変な誤謬である。また、生年月日をもとに遁甲盤を作成して「命理術」として使用することも同様に大誤謬だ。

本著は、全伝奇門遁甲(黒門著)に続く、占断術としての奇門遁甲を解説したもので、使い方としては、全く正当なものだ。中国の古典や、我が国の戦前の遁甲書もすべて占断術としてしか記していないのも、それを裏付けている。なお、自分(林巨征)は、5年間に渡って、週2回程度の国内移動でデータを採取したが、奇門遁甲は方位術としては、全く答えを出さなかった。

さて、本著であるが、作盤、運用、占例の三点から構成されている。特に占例は安藤先生のお弟子さんや知り合い、あるいは海外の知己の例をトランザクションしたものであり、極めて有用である。読者は何度も読み返して、ポイントを掴んでほしい。

この著作で一番素晴らしい箇所は、83ページから93ページまでの「3.目的別占断法」の部分である。どうか初学者は、この中の図だけでも、手元のノートに書き写して、判断時に常に参照するようにしてほしい。必ず的確な結果を出すと思う。

加えて、93ページからの「4.奇門遁甲と行動」の節は、安藤先生からの戒めとして、ぜひ頭に入れてほしい。これは奇門遁甲を方位術として用いてきたことに対する警鐘でもある。要は目的に向かって然るべきアクションを取らなければ、結果は出ないよ」という至極当然なことである。特に今までは奇門遁甲を好む人は、方位さえ取れば都合の良いことが向こうからやってくると思いがちであった。

東洋占術を行う術士は、ぜひ手にとっていただきたい一冊である。本著のような快作が5000円以下で入手できることは、我々のように暴力的な価格の占本を購入してきた者にとっては、極めて幸福なことである。

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【書評】断易の教科書 下巻 東洋書院刊 
断易の教科書下巻
 今般、上巻に続いて下巻が発売されたので早速入手。大変おもしろかったので一晩で読破した。有力な断易本が出版されるのは実に嬉しいことだ。今回の上下巻揃ったことで、九鬼盛隆、浜崎洋至につながる、令和の断易基本書が完成したと思う。術者は前述の九鬼本や浜崎本より先に本著を読破してほしい。

 さて下巻の内容であるが、占例集が中心であるが、上巻で述べきれなかった付随的な解説が加えられている。この解説がなかなかのもの。欲しい、知りたい事項が満載だ。

 本著のポイントは、占断結果の解説について断の部と象の部を明確に区別したこと、および吉の要素と凶の要素が複数絡んだ場合の判断方法の明確化である。

 前者については、吉あるいは凶という最終的な結果を「断」となして、それに付随する様々な物語を「象」となし独立して解説をしたものである。多くの占例集はこのあたりが不明確なものが多く、特に「象」の部分は、占者の勝手な妄想ととれる説明も散見された。あるいは、より詳細な状況を知る占者が、占いと関係なく説明を加えていたかもしれない。その点、本著は占断結果というエビデンスを根拠として「象」を解説している。これは極めて重要なことだ。

 後者については、初心者が一番苦手な部分だと思う。特に自分のことを占った場合は、吉の要素に目が行きがちである。某派のように点数化することも方法の一つであるが、点数化のロジックは極めて困難であり、恣意的な部分も見受けられる。

 なお、ネタバレになってしまうが、断易を用いた方位術として、「子孫の十二支の方位に移動する」という話である。かつて易八大師や歌丸光四郎師がその著書で公開しているが、なかなか面白い吉方位選定方法である。私も納音法と組み合わせて、よく利用している方法である。

 上巻を購入された方は100%購入されると思うが、断易に詳しい術士が本著だけ単独で購入しても嬉しい内容である。ぜひ手にとってほしい傑作である。

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書評:欽天門紫微斗数運命学 
欽天門ひさびさの書評である。
今回は欽天四化派の紫微斗数本である。こちらは、皆様よくご存じの飛星派と異なり、使用する星の数は一四種類と最小限に押さえ、その代わり化禄、化権、化科、化忌の四化星を運用することによって、詳細に運命を見ていく紫微斗数の流派である。


自分は、この流派とは少し馴染みがある。35年も前の話であるが、河野世希也先生に紫微斗数を習いに通っていた時、台湾書を輪読していた。そのとき蔡明宏先生の著作がまさにこの流派であり、四化星の運用に刮目した覚えがある。
何しろ当時は紫微斗数の出版物など国内では阿部泰山全集の一冊あるいは香草社のものか、ようやく鮑黎明先生の著作が出始めた頃であった。


国内では以前に田中風州先生が出版されただけで、あまりなじみの無い内容だと思う。また、化忌星を凶星とは捉えていないのも大きな特徴だ。あまり、ボリュームがある著作ではないので、すぐに読破でき、ある程度の判断も可能である。


本書は、非常に専門的であるにもかかわらず、極めて廉価である。一人でも多くの術士に本書が行き渡り、欽天四化派を広めたいという著者の意思であろう。素晴らしい入門書がまた登場した。

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書評:神木探偵 駒草出版刊 
神木探偵 今回は占いとは関係ないが、大変興味深い著作が発売されたので紹介する。本田不二雄先生の「神木探偵」である。先生は宗教書に強いライターであり、本著も、素晴らしい写真もさることながら、詳しい考察がなされている。
 日本全国、様々な神社仏閣に存在するご神木を、写真付きで解説したものである
 
 先日、羽田守快先生が、「本から神気が出ている」とFacebook上でご推薦されていたので、どうしても欲しくなり、早速入手した。手に取って見るとわかるが、ご神木の解説書というよりも、写真集といった感じである。解説文よりも、圧倒的にカラー写真が多いのである。その写真がまた非常に特徴的で、まさに紙面より神気が出ている状態である。

 私が専門とする方位術の中で、「木気法」という技法がある。これは吉方位に移動して、現地の「木
」に関係するアクションを実行することである。具体的には森林浴や杭打ちなどであるが、これだけ神気の強いご神木を目の当たりにすると、「木気法」に取り入れてもよいかと思う。

 残念であるが、今はコロナ禍によって、方位取り旅行もままならないと思う。せめて、本著作を通じて、神気を受け取って欲しい。

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風水*happy*方位術

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